ドイツ軍ファンのあなたなら少なくともきっと
2回以上は観ていることと思います。
この映画の男気の惚れ込んで
【俺も降下猟兵やりてェ~】
て思ったことと思います。
1976年公開当時の映画にしては、主演するドイツ軍兵士の軍装の
ディティールが他の映画に比べ優れていて考証も正確だという評判でした。
特にユダヤ人女性を駅で救うシーンは圧巻で
実物のⅢ号突撃砲やパンターもどきのプロップ、FG42自動小銃が出たりと
マニア心をくすぐったものです。
僕は2021年7月にディレクターズカット版を観て
改めて作戦立案の立場で悲しい結末を迎えたマックス・ラードル山岳猟兵大佐にほれ込みました。
彼の姿は左目の眼帯に左腕の義手と非常にインパクトがあり、名優ロバートデュバルが演じていました。
マニアックにも山岳猟兵出身者という設定。
ナルビク戦従軍シールドが左腕、第二級鉄十字、東部戦線従軍章、金の戦傷章、銀の白兵戦章
で騎士鉄十字章受賞者。
英雄ですよ。激戦を生き抜いた生粋の軍人であります。で結構反ナチ的な立場だったりしています。
(映画ではあえて反ナチ的立場を表現するシーンが少ないのですが)
で面白いことに通常1級鉄十字章は左のポケットの中心でその他勲章はその下につける規定があるのですが
ラードル大佐はあえて左ポケットの脇下に近い位置に着用。(そのほかの出演者はポケットの中心につけてます)これやってるのは確信犯的だと思いました。
(実際にこのような1級鉄十字章のつけ方で有名なのは遠すぎた橋でも有名な、武装SSのヴィルヘルム・ビットリッヒです)
あともう一つ感動したのが、ロバートデュバル演じるラードル大佐の服の仕立てだったのです。
ドイツ軍将校服の仕立てなんですね。
ポイントとしては、将校服が芯材がしっかり入ったつくりなんですよ。
ここがポイントなんですね(笑)
変なところ見てしまうのが僕の癖で、ここ20年くらい作られている戦争映画に出てくる
ドイツ軍将校服で秀逸なのは1作品位で後の映画の将校服はチープなんです。
(ちなみに秀逸な将校服が出るのがイングリアスバスターズのブラピ部隊のSS将校3人組とハンス・ランダ)
60-70年台乗せ印相映画に出る将校服今見てもほれぼれするくらい格好良いです。
あれって仕立てがうまい上、材料がしっかりしている。
映画「遠すぎた橋」のモーデル、ルントシュテット、ビットリッヒの服は完璧な仕上がりです。
多分20年くらいの間に作られた将校服って芯地が接着芯なのは間違いないのです。
芯地ってその服の製作レベルが一目でわかるのが胸の増し芯のボリューム何ですね。
実物を触ればおわかりいただけると思いますが、胸あたり裏地と表地を
ツンツンすると厚さを感じるんですね。
アノ感触って、接着芯と呼ばれるポリエステルの芯だと出ないんです。
しかも仕立服である将校服のあのパリッとしたボンテージスーツ並みの張りは出ないんです。
将校服の芯地は馬毛を織り込んだものです
これが芯地なんですね。
僕の言う芯地は馬の毛を織った生地で、しなやかに柔らかくも張りを保つために今でも高級スーツなんかに使用されている芯地なんです。だから乱暴に服をおいても簡単には型崩れしません これが毛芯と呼ばれる芯地です。
でも一方で接着芯を使った服って、型崩れすれば、2度と形は戻らないばかりか劣化してすぐにぐちゃぐちゃになります。で本来将校服にあってはならないところに皺が出たりします。
で意外なのですが、実物の将校服って生地薄いのはご存知ですか?
写真で見ると厚手の生地使っているように見えますが、基本薄めのウールの生地です。
トリコットだろうが、ギャバジンだろうが、ドスキンだろうが仕立服は薄いです。
というのも今の感覚とは違い薄手生地は製造が難しく当時高いですからね。
話を元に戻しますが、ラードル大佐演じるロバートデュバルの制服は毛芯の芯地が入った服だと一目見てわかったのです。
だから仕立服の将校服の格好良さが一発で分かる服です。
しかもパツパツに仕立てられた服で、着丈も袖丈よりも短いタイプで僕の好みだったというオチです。
というわけで今回はそのラードル仕様の将校服を仕上げてみたということでご紹介です。
ラードル大佐仕様の将校服のディティールに下院してはこちらでご紹介しているので詳しくご覧ください。