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武装SS M42改造野戦服が完成

武装SSM42改造野戦服

こんにちは。

ブラックフライデーセールで一人で盛り上がっていた時(笑)、

どさくさに紛れて武装SSM42改造野戦服が完成しました。

ご依頼主のご要望で、着丈を極力限界にまで詰め、プリーツを異なる色調の生地で追加した仕様に製作。

今回はその野戦服の製作をサクッとご紹介したいと思います。

イメージはこれです。TotenKopf師団兵士

丈詰めはよくある当時の改造野戦服

今回のご依頼であった「丈詰め」は大戦中のドイツ軍兵士は、国防軍(ここでいう場合、陸、海、空軍)や武装SSでは一般的で基本の野戦服改造でした。

当時の写真を確認するとかなりの確率で丈詰めをしている野戦服を目にします。

特に武装SSではすごい数の服が丈詰めされています。

その中でも異常なくらい丈詰めされた野戦服が今回の製作仕様です(:

裁断前の型紙配置

■製作状況

今回使用するのは僕が研究に研究を行って製作した【武装SS仕様M42/M43型野戦服】の型紙です。

こちらはご依頼主様の寸法に合わせた仕様で、今回ご依頼主様の体形に合わせて型紙の寸法を変更しています。

ドイツ軍の野戦服って基本胸囲で着丈が決まっており、武装SSの場合、胸囲96を基本体形として着丈は65㎝が基本です。

今回は胸囲94㎝を前提として製作しているので着丈は通常だと、63.5㎝となるのですが、着丈は13センチ詰めてほしいと依頼があったので、50.5㎝にも短くなる設定となりました。

これはM44野戦服の着丈のよりも短いという設定でござーいます。

Waffen SS sleeve construction

で武装SSの袖を組み立てた状況です。

武装SSの袖って陸軍型がM36~M44までの野戦服が一貫して三角袖(袖がくの字)のつくりに対し、

袖は緩やかな角度を持った土管のような筒袖になります。

とりわけ強制収容所などの生産体制が確立された親衛隊被服工場では陸軍の野戦服設計の変更に伴い

生産された42野戦服では土管のような筒袖で製作されています。

Hammer head type sleeve eagle

で今回の野戦服設定は、1943年以降のトーテンコップフ師団のテオドールアイケ連隊の兵士で

左袖にデミヤンスクシールド盾章となんと久しぶりに見たアルバン製と言われるハンマーヘッドの

Adlerをご依頼主にお送りいただき、当時と同様にジグザグミシンとストレートミシンで縫っています。

ただデミヤンスクシールドの台布をきれいに見せるため、あえてブラウンのミシン糸でジグザグと仕上げています。

Button Hole eyelet

武装SSの野戦服の特徴の一つでもある、陸軍型よりも幅と高さの低いポケットを標準型のポケットの型に沿って製作。

ボタンホールは、ライトグレーの綿糸でボタンホールミシンで仕上げています。

このボタンホールミシンのおかげできれいなハトメ穴ボタンホールを仕上げることができるので、製作の度にワクワクしています。

Body construction for W-SS M42 tunic

こちらはボディが完成した状況の画像です。

すでにダーツ、裏地、ベルトフック用の穴、ボタンホールを仕上げた状態です。

胸ポケットですが、通常M42型だと、プリーツなしのフラットなポケットなのですが、ご依頼いただいた注文では、

「あえて生地色が異なる色で後で追加したようなプリーツ付きもどきのポケットにしてほしい」

というご要望があったので、別の初期型野戦服仕様のウール生地を追加でポケットに直接縫付けています。

でベルトフック用の穴ですが、こちらは手縫いで行っております。

本来ならば、専用ミシンで仕上げるのですが手元にはその専用ミシンがないため(入手が難しいアイテムなのです!)手縫いということ。

後襟ですがこちらも陸軍型の襟とは異なり武装SSの襟は、角度と返し襟の構造が異なります。

多くのレプリカの”SS仕様”だと陸軍襟を模しており、こちらも印象が異なるのでここは注意して型を起こしております。

でトレッセは実物として取引されることのある70年代の西ドイツ製のレーヨン製のダイヤモンドパターンのものを使用して下士官仕立てとなっています。

こちらも武装SS仕様に仕上げております。

body parts assembled W-SS M42 feldbluse
assembled body

ボディパーツを組み合わせた状態の画像です。少し見えづらいのですが、前と後ろのパーツを縫い合わせた個所ですが、実はレプリカで最も無視されるのが、肩の縫い目ラインがカーブする個所。

これはレプリカだと直線のラインが出るのですが、型紙の時点でも曲線の肩ラインなのです。実物でもドイツ軍の服は例外なく緩やかなカーブで作られています。

そしてウエストラインをご覧いただければお分かりですが、無理したダーツ入れもやっておらず、これは野戦服のパターン製作時点で決まるラインなので自然とドイツ軍の野戦服の美しさが出たと自画自賛しまくりです。

背面を見ても同様ウエストラインをわざと強調することはしていません。

そしてアームホール。これはドイツ軍軍服では結構タイトなのが当たり前ですが、多くのレプリカでは肩幅、アームホールが調整できていないため、本来のドイツ軍の格好良さを損なっている部分です。

もちろん僕の製作ではそれが狂うことのない、計算したアームホールを作り上げています。

Accrate of M42 feldbluse
SS form Sleeve construction
Back status of Tunic M42
Collar construction of Waffen-SS M42
Lining of Tunic M42
conecction of Lining and outer

でこれが完成したM42改造野戦服。

全体的な仕上がりは、武装SSらしい野戦服に見えますでしょうか?

細かなディティールを見ていけばその特徴をしっかりと伝えたつもりです。

裏地はレーヨンのグレーパープルをチョイスし、こちらは古いフランスの裏地生地を用いております。

前部の胸ポケットは、通常フラップは裏地を貫通せず、袋ポケットのみ裏地を貫通する作りがM42で

改造された服の場合、上に持ち上げて縫い直すことが多いのですが、無改造だと袋ポケットのみ貫通するのがM42の特徴です。

M43になるとこの規定は無視されて縫製されている場合があります。

この裏地は比較的多くてモノにあるので41年以降の野戦服で多用しております。

またベルトフックループですがこちらも専用ミシンで仕上げるべきところを手縫いで仕上げております。

で見えない部分についてうんちくを言えば、ベルトフックループ、ベルトフック用の穴をあける前に実物通り、芯地の端切れを入れているので、きれいに穴が見えるようになっております。(ここはレプリカだと省略する部分です)

最後にSSの被服工場スタンプSSBWと、被服のサイズスタンプを押しました。

襟章ですが、今回トーテンコップフなので右襟に髑髏章が付くのですが、こちらはご依頼主が注文中とのことであえてブランクにして仕上げています。

第二ボタンホールに東部戦線従軍リボンを縫付け完成です。

ボタン、ミシン糸はすべて実物で仕上げてありますのでより「説得力ある」レプリカになったかと思います。(ボタンを変えるだけでも野戦服の顔が違って見えますよ)

実物ボタンはコチラで取り扱っているボタンを使用しています。

なんだかんだでブラックフライデーセールの準備に忙殺されながら、本業もやりながらちまちま製作して、

ここまで製作するのにかかったのはおよそ3週間。

野戦服は何度も製作しているうえ、M42野戦服は武装SSでも一番好きな部類の野戦服なので

こういった亜種の野戦服も比較的苦労せず製作することができました。

生地もあえて、42年以降のオリーブの強いドイツ製のフェルトグラウ生地を用いているので普通の初期の野戦服よりも重厚感があり生地にも張りがあるのでびしっと写真でも決まって見えます。

この記事を読んで気に入ってくれればぜひ拡散していただければと思います。

もしあなたもより良いものをお求めであればよかったら一度ここでお問い合わせして製作に関するご質問いただければと思います。

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