How you Make Offizier Hoch StehKragen? どうやって 将校用の立ち襟作るかなあ~?
こんにちは。
今日はドイツ将校の制服の一番格好良い将校用をどうやって作っているかについて
ご紹介できればと思います。
将校用襟といってもご存知のようにメチャクチャバリエーションがあって、
どれが「正しい」襟なのかについては
正解が存在しません。
デザインも様々、縫い方も様々。
男だっていろいろ、女だっていろいろ…(島倉千代子を思い出します)
ぶっちゃけ言えば、兵用の野戦服に将校用襟章を使えば将校襟なわけです。
一般的な将校襟は、ダブルのホック、ダークグリーンの生地を用いた立ち襟(StehKragen)
だといわれていますが、
実はホックも生地もいろいろバリエーションがあったりします。
ライヒスヴェーア(Reichswehr)を原点とする、大戦中の将校服(あえて一次戦後に限定します)
はある程度終戦までデザインは確立されています。
襟もダブルホックにするという規定はなく、
あくまでも着用者個人のデザイン、要望によって変化しています。
例えば、武装SS将校では、立ち襟の高さを低くし、返し襟(徽章が付く襟)を大きく取ったり小さくしたりといろいろな趣味がって、ホックもわざとシングルホックにしている例が非常に多く見受けられます。
陸軍将校だと、ダブルホックのほか、シングルホックも存在し、ダブルホックよりもトリプル、最高だと4連ホック(20ミリ高射機関砲です…)なんてものも存在します。
多分ですが、ルントシュテット元帥はあの立ち襟の高さから4連か3連ホックだと思います。
襟高の高い襟をヒンデンブルグ大統領にちなんでHindenburgerKragenと呼んだりしています。
今回は、以前製作した将校襟についてざっとご説明させていただきます。
この襟章、SS仕様で製作した将校襟の返し部分の型紙です。
高さのない返し襟ですが、将校襟でもSSだと襟章の高さぎりぎりの高さで結構小さめの襟だったりします。
でこの型紙が、立ち襟と返し襟一体のものです。立ち襟も小さいですよね~。
高さは3センチです。
製作途中の襟です。
この襟は実は、馬の毛を織り込んだ芯地で毛芯(けじん)と呼ばれる、
高級スーツの芯地に使われる芯地を使用して作っています。
将校襟には、ある程度型崩れ防止とそれなりのちゃうようじの柔らかさが求められるパーツであり、将校服の「顔」です。
通常のレプの襟だと接着芯使っていますが、ぬれたり、汗が染みたりするとしわになるんですね。
でも毛芯は型崩れしないんです。【すごいですよね。毛芯って】
実物の場合、芯地は、麻のニカワ付け、バルカンファイバー、毛芯、ただの麻や綿など多くのバリエーション存在しますが、
一番きれいに仕上がり、かつ着心地、しなやかさでいえば、ダントツ毛芯ですね。
立ち襟と返し襟を白い糸で縫っている部分見えますよね。
これは形が崩れないようにするための措置で、びしっと折り目を決めるために縫っています。
この返し部分は一番力が加わる場所なので、こういう風に止めておかないと形が崩れるのです。
そこを何度も何度もアイロンでプレスしながら形を整えていくのです。
でアイロンもそれなりの蒸気量が出ないと形を整えられないので、プロも使用する業務用アイロンでジュージューと蒸気プレスしていきます。
で野戦服ボディに縫い付けした後も型崩れ防止の為、糸はそのまま残していきます。
襟布とバタフライホックと呼ばれる、襟布留めのホックを縫付けるまでこのままにします。
襟布とバタフライホックがついて完成した姿がこれです。バタフライホックってここで確認できます。
きれいでしょう~?(自画自賛中)
レプリカの将校服の襟を変えるだけでもすごく印象が変わるので、
一度襟にでも投資するだけで将校服がアップグレードできます。
その際はお声がけいただければ嬉しいです。