Litewka für W-SS Generale 武装SS将官用騎兵服
こんにちは。
今日ご紹介するのは、Litewkaという制服のパターンです。
ドイツ軍ファンでもLitewkaは中々聞くことのない制服だと思います。
簡単に言えば騎兵服のことを言います。
武装SSでとりわけ着用されていて、オズヴァルド・ポールやカール・ヴォルフなどがこの服を着た写真が多く収められています。
もともとはリトアニアを起源とする制服で、リトアニア騎兵が来ていたという制服です。
かつてロシア帝国にいたドイツ人義勇兵(そもそもドイツという概念がない時代です。)が18世紀後半に持ち込んだという説があります。
そもそもLitewkaってポーランド語でリトアニア風という意味ですが、そのままプロイセンや各地のドイツ諸侯によって急速に使用されます。
当時のヨーロッパ諸国で流行にはやったデザインでもあります。遠くは北欧スウェーデンから南はイタリアまでLitewkaは流行しているようです。
なぜそもそも制服がポーランドなのでしょうか?
これは仮説なのですが、18世紀、19世紀の時代ポーランド騎兵はヨーロッパ最強の騎兵だと呼ばれています。
特にナポレオン時代は、ポーランド騎兵の傭兵部隊がナポレオン率いるフランス軍では伝家の宝刀として扱われ、ヨーロッパを征服する原動力ともなっています。
で、ポーランド語を使うことで力強い騎兵のイメージを作りだしたのかもしれません。
当時のリトアニアはポーランド王国の一部であり、それらのリトアニア人ポーランド騎兵が来ていたという仮説でこの服ができたのではないかな?という感じです。
ドイツ語の情報データをググってみてもあまりにもこの情報が少ないので何とも言えません。
ちなみにレッド・バロンで有名なフォン・リヒトホーフェンはポーランド由来の騎兵服Ulanka
を着ていますが、Litewkaの縁戚に当たります。
などなど、第二次世界大戦までのドイツ軍にも絶大な影響を与えたLitewkaの型紙を今回製作しました。
画像は途中で切れていますが、このLitewka、Grundschnittformと呼ばれる、制服の原型パターンとして紹介され、陸軍の被服の他、空軍のフリーが―ブルゼ、党組織、民間組織の制服の原型でもあります。
だらか僕もそのパターン製作の基礎資料を持っていたという経緯で製作することができました。
ただですね、当時のドイツの製作指南書メチャクチャ不親切なんですよ~
パターン作図の点は打たれているけれど、正確な寸法が書かれていない。
”ここの点と点は、寸法を測ったのちに隙間を入れる。その隙間の寸法は、A点とB点に存在する寸法の
1/8である。”
????
となるわけです。僕の疎いドイツ語の知識を総動員しても、意味不明で、ドイツ語堪能な妻(笑)に訳してもらっても頭を抱えるわけです。
もちろん専門用語もいっぱい登場するわけですが、その意味を調べても意味不明な記述が多いのです。
でもですね、何とかそのヒントを見つけるには、作図の基本の詳細ページを読むことで解決することができました。
おかげでサクッと何とか4日で原型となる制服のパターンが出来上がったというわけです。
でもう一つ困ることが”任意の数字”というマジックワードです。(笑)
任意の数字ってなんやねん?って突っ込みを入れてますが、任意の数字は自由にやりなさいということ。
で任意の数字を自分なりに解釈してバランスが崩れないように作っていきます。
約1年ぶりにこのパターン作成をしたということもあり混乱を極めた作図でした。
で次に製作したのが、袖のパターンです。
かつて「ドイツ軍将校服はスーツだ」
なんっていうコレクターがいましたが、まさにおっしゃる通りです。
袖のつくりは全くスーツと同じ作り。
そもそもスーツと制服には互換性の高いパターンが多く存在します。
で面白いことにこの袖パターン、兵/下士官の野戦服(Feldrock,Feldbluse)とほぼ同じという事実です。
プラス袖の作りが土下から「く」の字の形をしているということです。
普通のドイツ軍レプリカであれば、これがきれいに再現されていない服が多いのですが、実は袖が現代風のくの字が緩いパターンを使用している可能性があります。
またパターン製作においてさらにクの字を強調するパターン作図もありますが、今回のLitewkaでは
そこまですると少しおかしくなるのであえてやめておきました。
次回はこのLitewkaの寸法修正用にコットンの生地で製作した寸法確認用の仮縫い服とか、別のパターンをご紹介できればと思います。