こんにちは。工房の主です。
無事ようやく、ご依頼主様のM37シュタールグラウのウール野戦パンツが完成しました。
やはり、ドイツ軍電撃作戦の華、ドイツ陸軍の初期といえば、M36野戦服とシュタールグラウのパンツの組み合わせだと思います。
ドイツ軍の野戦服の変遷の中でもなぜかこの色のパンツだけが異色を放つ存在だと思います。
というのも野戦服がフェルトグラウに対し、パンツがシュタールグラウ、上下ともトーンが全く違う
のです。
といっても実はドイツは伝統的に野戦服とパンツの色が違います。
例えばプロイセン王国のヴァッフェンロックはプルシアンブルーと呼ばれる青のヴァッフェンロックに対し
濃紺のパンツを採用しています。
また大戦中のドイツ軍将校パンツも上下同色のパンツというのはあまりなく、どちらかというと
上下色が異なる場合があります。
ところで一般的にはシュタイングラウ(ストーングレイ)と呼ばれるM37野戦パンツですが、
実は現存する野戦パンツの退色によって色が薄めになっているからそういう色合いでレプリカは作られているようですが、
実際のミント品の野戦パンツは、ストーングレー(もしくはシュタイングラウ)よりも色の濃いグレー色です。
上の画像をご覧のとおり、色が濃いのですが、光の反射具合によってもう少し暗めの色です。
なのでシュタイングラウというよりも鉄、アイアングレー、シュタールグラウといった方が正解だと思います。
実際にコレクターによってはシュタールグラウと呼びます。
こちらが先週完成したM37野戦パンツです。
夜中完成した直後に撮影しているのでかなり暗めですが、M37野戦パンツの特徴である、角度が浅い
前ポケットを再現してあります。このポケットのつくりは、戦争突入してからもしばらく生産が続くパンツでフェルトグラウのM37野戦パンツも存在します。
また武装SSにおいてはM37カットのモデルを踏襲した武装SS独自のパンツが一貫してM43カイルホーゼが登場するまで生産が続けられています。※若干ディティールが異なるのですが今回は割愛します。
画像がさかさまになっていますが、前合わせの画像です。
ボタン配置もレプリカだと結構いい加減で、規定通りのボタン配置にしております。
基本野戦パンツだとボタンの間隔は5.5-7.5㎝の規定がありますが、僕の製作したパンツはこの規格内で調整しております。
通常だとアルミ製の皿ボタンが付きますが、あえて当時のシュタインヌス社製の19㎜ボタンにしています。
ベージュ色が暗めの生地を引き立てて良いのではないかんという感じて付けてます。
パンツの背面ですが、ウエスト調整用のループは、ウエストが2センチ単位で調整される支給品は、かなり自分のウエストに近いところに金具がつきます。
多くのレプリカだと個々のループが長く取られており、非常に格好悪くなります。
金具はPrima社?だったと思うのですが、以前精密複製の帽子を手掛けるシュミットさんから複数購入したデッドストックを使用しております。
前部のポケットは、基本角度の浅いポケットがM37パンツの分かりやすい特徴で、サイズによってスリット幅が変化するのが基本です。
通常サイズを84㎝とすると、実測でスリットポケットは15.5センチで設定されているようです。
まあ、ここら辺は、ドイツでも結構1-2センチの範囲内で納めるようにしているみたいですね。
とりあえず久々に製作した野戦パンツですが、無事納品し、ご依頼主様に気に入っていただいたようなので
うれしい限りです。
ドイツから取り寄せたパンツ用の生地も在庫がなくなったのでM37野戦パンツの注文分があれば別途調達する予定です。
ではまた、いろいろなアイテムの製作状況が上がり次第アップしていきます。
お付き合いありがとうございました!